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原状回復の東京ルールとは?概要・適用の具体例・注意点などを解説

24.01.31

賃貸住宅の敷金の精算は、これまでうやむやに行われている事が多く、退去時に、原状回復費用として高額な料金を請求されたなどのトラブルが絶えませんでした。

そのため、東京都は原状回復のための費用負担の考え方や、宅地建物取引業者による借主への説明義務などを規定した「賃貸住宅紛争防止条例」(東京ルール)を設けたのです。

この記事では、原状回復の「東京ルール」について詳しく解説します。
賃貸マンションやアパートの入居や退居を予定している方はぜひ参考にしてください。

原状回復の東京ルールとは?概要・適用の具体例・注意点などを解説

原状回復の東京ルールとは

賃貸物件の退去時トラブルを防ぐために、平成16年に東京都が賃貸住宅紛争防止条例を定めました。
これが「東京ルール」です。
このルールに従うと、原状回復の考え方を、宅地建物取引会社が借主に賃貸借契約に先立って説明しなければなりません。

宅地建物取引業者が説明すべき事項

原状回復に関して、東京ルールに従って宅地建物取引業者が借主に具体的に説明しなければならない事項は以下の4つです。

借主の原状回復の基本的な考え方

借主の故意・過失で住宅を壊したり傷つけたりした場合、原状回復にかかる費用は原則、借主側の負担となる。

貸主の原状回復費用負担の基本的な考え方

貸主は、経年劣化や自然発生といった入居中の借主の故意・過失によるもの以外の損傷の修繕費を負担となる。

原状回復に関する特約の必要性

貸主側と借主側双方の合意があり、しかも特約を結ぶことの意味がある場合は、特約を交わすことができる。

原状回復に関する連絡先

設備の原状回復に関することの問合せ先の電話番号を伝える。

なお、これまで手渡しまたは郵送によるか説明書面の交付が必要でしたが、令和5年5月18日に法律が改正され、借主の希望があれば、電子メールなどでも可能となりました。

貸主・借主負担となるそれぞれのケース

ガイドラインによると、経年劣化によるものは原則として貸主が費用負担するものとされています。

しかし、賃借人の「善管注意義務」をおこたった場合や、故意・過失で家具を壊したり傷を付けたりした場合は、借主が費用を負担しなければなりません。

なお「善管注意義務」とは、他人のものを借りている場合、借主は普通に必要とされる程度の注意をして物件の使用・管理をしなければならないということです。

貸主負担となるケース

A.入居前からあったフローリングの傷
B.入居前からあった台所周辺E
C.経年劣化による蛍光灯の交換
など

借主負担となるケース

A.自分で紛失した鍵の取り換え
B.自分の不注意による設備の破損
C.自分で購入し設置した照明器具のあと
など

賃貸借契約の特約

賃貸借契約では、貸主のために特約を設け、費用負担を抑えることもできます。
特約は以下の条件を満たしていることが前提です。

・客観的・合理的に見て必要性が認められること

・一般的な原状回のための費用を超えた修繕等を払わなければならないことを借主が了解していること

・特約は借主に不利にならず、しかも特約により原状回復費用を負担することを借主が意思表示をしていること

なお、本来は貸主が負担すべき簡易な設備の修繕費についても、借主が支払うこととする特約を交わすことも可能です。

特約に定める事項は、賃貸物件によっても違ってきますので、契約時には特約の内容について具体的な例をあげてもらい、納得できるまで説明を受けるべきでしょう。

借主の注意すべき事項

入居前と入居中、さらに入居後のそれぞれの段階で、貸主が注意すべき事項を順番にご説明します。

入居前

・契約書の原状回復に関する内容がガイドラインに従っているかを確認する
・原状回復に関する特約が借主に不利な内容になっていないかを必ずチェックする
・入居時にキズや汚れの場所を確認し写真などに撮っておく
・「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト」の作成をする

入居中

・契約書に定められたルールを守って、設備を取り扱う
・設備を壊したり傷つけたりした場合は、即座に管理会社や貸主に連絡する

退去時

・荷物を片付け、きれいに清掃をしておく
・管理業者が立ち合い、設備の状態のチェックを行う
・設備の状態が明細書の内容とイコールであることを確認

まとめ

東京ルールが定められた後も従来の習慣から抜け出せずに、状回復の費用負担を借主に押しつけるケースが現実にはまだまだ残っているようです。
そのようなケースを放置していたら、東京都から指摘されるとともに、トラブルの原因にもなってしまうでしょう。

こうしたトラブルを避けるために、不動産業者が、仲介者として貸主・借主とを仲介して話し合い、双方が満足のいく形でおさめる役割があります。

原状回復の負担区別の種類はさまざまで簡単に区分できないものです。
実際の現場では状況に応じて、人の判断によることになります。

賃貸アパートやマンションの退去時の精算で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、信頼できる不動産業者に相談してみましょう。