お役立ちコラム|東京・埼玉でオフィス専門の現状回復業者をお探しなら現状回復施工プロ

03-6784-0478

column
お役立ちコラム

原状回復費用は払うもの?経年劣化と耐用年数による原状回復を解説

23.02.23

築年数が古い、長期間入居していた物件などを退去する際、経年劣化・耐用年数を既に超えている場所に関して原状回復の責任の有無が問題になる場合があります。
耐用年数が過ぎており、既に残存価値もない場合、原状回復費用を全額支払うことに疑問を感じる人も多く、実際にトラブルとなる場合が多いです。

原状回復義務にはガイドラインがあり、退去時の原状回復について基準を定めています。
経年劣化や耐用年数に応じた原状回復の方法と基準について、ガイドラインを元に解説していきます。

退去時にトラブルにならないためにも、原状回復と経年劣化などの関係について確認しましょう。

原状回復費用は払うもの?経年劣化と耐用年数による原状回復を解説

退去時における原状回復とは

賃貸物件の入居時契約書には、原状回復を行い明け渡しをするよう明記されている場合がほとんどです。
入居者は、契約後に生じた損傷について、原状回復義務を負います。

しかし、通常損耗や経年劣化、耐用年数が過ぎたものなどは、原状回復義務がなく貸主が原状回復を行います。

原状回復をめぐるトラブルとガイドラインとは

近年、退去時の原状回復に関するトラブルが多く発生しています。
現状を改善する対策として国土交通省で作成したのが「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。

原状回復に関するトラブルについて早期解決を図るための参考資料として発行されています。
あくまで参考ですので、実際のトラブルや問題がすべて解決できるとは限らないので注意しましょう。(※1)

※1参照:国土交通省(「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について)

原状回復費用と耐用年数

原状回復費用には耐用年数(経年劣化)による損耗は含まれないとされています。
耐用年数はそれぞれ異なるため、耐用年数を知っておくようにしましょう。
耐用年数によって負担割合を算出するようになります。

原状回復費用はワンルームで15,000~30,000円、2DK・2LDKで30,000~50,000円とされています。(※1)

部材名

耐用年数

畳床・カーペット・クッションフロア

6年で残存価値1円となる

クロス

6年で残存価値1円となる

流し台

5年

エアコン・冷蔵庫・ガスレンジ・インターフォン

6年

金属製以外の家具(たんす・戸棚など)

8年


※1 参照: athome(退去時に係る原状回復費用の相場はいくら?)
※2 参照:国税庁(耐用年数表)

耐用年数(経年劣化)とは

賃貸物件の耐用年数とは、物品寿命を指しています。
「法的耐用年数」が決められており、法的耐用年数は賃貸物件自体の減価償却費として計上できる期間と同じです。

判断方法

耐用年数(経年劣化)や通常損耗と、原状回復費用を求められる傷や汚れは判断しにくいかもしれません。
判断方法としては以下のように覚えておくと違いがわかりやすいでしょう。

● 耐用年数(経年劣化)→物の寿命
● 通常損耗→日常生活においてできる自然発生的な汚れや傷
● それ以外→原状回復費用として請求される可能性がある

原状回復費用を求められるケース

今までご紹介してきたように、ケースによっては原状回復費用を求められる場合があるのも事実です。
原状回復費用として大家から請求される可能性の高いものを紹介します。

①故意にできた傷や汚れ

先に紹介していますが、耐用年数(経年劣化)、通常損耗に該当しない傷や汚れは原状回復費用として請求されるケースに該当します。
子どもが壁に落書きしたり壁に大きな穴を開けたり、ガラスにヒビが入っていたりする場合は請求されると思った方がいいです。

 ②タバコのヤニ

タバコのヤニはタバコを吸わなければ発生しないものであり、通常損耗とは判断されにくいです。
タバコのヤニは落ちにくく、長年放置していると、クロス張替えなどが必要になるので、高額な費用を請求される可能性もあります。

③キッチンの油汚れ

キッチンの油汚れは毎日きちんと掃除をしていても、なかなか落ちにくいものです。
通常のハウスクリーニングで落とせる程度の汚れであれば、高額請求はありませんが、長期間放置しておくとガスレンジ周りなどの交換費用を請求される可能性もあります。

④ペットによる傷や汚れ・ニオイなど

ペットを飼っていないと発生しない傷や汚れ、ニオイは特に残ってしまうのでハウスクリーニングが必要です。
ペット可の物件であれば、事前にある程度の費用請求は覚悟しているかもしれません。

もし、ペット不可の物件でペットを飼っていた場合には、高額の修繕費用やペナルティを科せられる可能性もあります。

⑤ビス穴やネジ穴

ビス穴やネジ穴は原状回復費用として請求される可能性が高いです。
小さな穴であれば、コーキング剤などで修復も可能ですが、大きな穴になると修復に時間がかかってしまいます。

賃貸物件に住んでいる自覚を持ち、壁に穴を開ける場合は最小限にとどめておき、ネジやビスは使用せず、虫ピンなどで対処しましょう。

原状回復費用はどのように支払う

原状回復費用は、通常敷金から原状回復費用を差し引き返金(または足りない分を請求)されます。
敷金がない物件の場合には原状回復費用として請求されるので、期日までに支払うようになります。

支払わないと連帯保証人への請求、法的措置による退去費用以上に慰謝料が請求される場合もあるので注意をしましょう。

まとめ

退去時に支払いの義務がある原状回復費用について解説しました。
退去時に原状回復をしたうえで退去する必要がありますが、耐用年数によって原状回復費用も異なります。

耐用年数を知らないと、耐用年数や通常損耗で支払いの義務がない部分に関しても請求される可能性があります。
紹介した原状回復時の耐用年数はあくまで一例であり、実際の状態によっては請求額が異なる場合や原状回復が必要と判断されるケースもあります。

原状回復費用を請求されたら、その内容を必ず確認し、必要に応じて請求が妥当であるか調査する必要もあるでしょう。
調査する前に専門業者に相談してみるのも一つの方法です。