21.09.25
近年、騒音に関するトラブルが増えています。
一度気になると、家の中にいても音に対して敏感になってしまうので、ストレスになったり自律神経が乱れたりすることもあります。
会社でも、防音性が低いオフィスは情報漏えいのリスクがありますし、業務に支障がでることもあるでしょう。
ここでは、防音対策をするべき場所や防音の方法について詳しく説明していきます。
音に悩んでいる方は参考にしてください。
防音対策を考えた場合、窓に対して何らかの対策をするというのが一般的です。
音は窓の隙間から入ってくることが多く、また普通の窓は防音仕様になっていないため、隙間を埋めたり、防音仕様の窓にしたりすることは有効です。
しかし、音というのは振動なので、壁に振動が伝わることでも声や生活音などが入ってきます。
物体を介して音が伝わることを「個体伝搬音」と言いますが、この音は壁や床などに伝わってしまいます。
なので、コンクリート構造のオフィスであっても壁の防音対策が必要となるのです。
壁の防音対策をするタイミングは、外部からの音が気になったり、「うるさい」と感じたりしたときに行いましょう。
少しうるさいと感じるぐらいで防音対策をするのは大げさ、と思う方もいるかもしれません。
しかし、音というのはメンタルにも影響を与えるものです。
顕在意識で「たいしたことはない」と思っていても、潜在意識ではストレスに感じている可能性があります。
また、オフィスでは外部に聞かれたくない会話が漏れてしまうこともあります。
少しでも音が気になった場合は、窓だけでなく壁の防音対策を検討しましょう。
音の感じ方は人によって異なるので、個人の感覚での防音対策は、十分な対策ができないことがあります。
防音に関しては、騒音対策の目安となる音のレベルがあるので、その数値を指標にするのがベストです。
遮音階級 |
音の感じ方(ピアノやステレオなど) |
D-65 |
通常は聞こえない |
D-60 |
ほとんど聞こえない |
D-55 |
かすかに聞こえる |
D-50 |
小さく聞こえる |
D-45 |
かなり聞こえる |
D-40 |
はっきり聞こえる |
D-35 |
良く聞こえる |
この表で分かるように、外部からの音がうるさい場合は、壁の遮音階級がD-45からD-35程度しかない可能性があります。
環境省では、もっぱら住居用に供される地域もしくは主として住居用に供される地域の遮音階級を定めています。
昼間はD-55以下、夜間はD-45以下という数値が基準(※)です。
ですので、防音対策をする際の遮音階級はD-45からD-55を目安にすることをおすすめします。
(※)参考サイト:環境省「騒音に係る環境基準について」
壁の防音対策は、防音壁を設置するのがベストです。
防音壁というのは名前の通り音を防ぐ壁のことですが、シャットアウトするというよりも防音壁材が音を吸収することで、音漏れや外部からの聞こえる音を防ぎます。
防音壁材の種類は、大きく分けると3つあります。
・音響壁材(仕上げ材・下地)
・遮音壁材(下地)
・吸音パネル(後付け)
これらの種類を組み合わせて設置したり、単品で設置したりすることで、気になる音を防ぐことができます。
吸音パネルは後付け可能で、大がかりな工事は不要です。
ただし、防音効果に関しては環境によって効果が異なるため、壁の防音対策はリフォーム会社など専門家に相談しましょう。
防音壁は音漏れや外部からの騒音を防ぐ効果が期待できるので、音に関する悩みを持っている方が設置するのは大きなメリットがあります。
しかし、デメリットもあるので、双方をしっかり理解したうえで設置を検討してください。
防音壁のメリットは、音漏れを気にする必要がなくなる、もしくは外部の音が気にならなくなるということです。
特に、重要な会議を行なったり商談をしたりするオフィスの場合、情報が漏れないように常に気を使わなくてはいけません。
防音壁を設置すれば音漏れの心配がなくなるので、仕事に集中できます。
また、外部の音が気にならなくなれば、騒音に対するストレスも緩和されることで心の健康維持にも繋がります。
防音壁のデメリットは、壁材によっては大がかりな工事が必要になることです。
下地から防音仕様するのであれば、当然ですが工事をしなくてはならず、コストもその分かかってしまいます。
しかし、音の問題は常につきまとうものです。
騒音問題で悩んでいるのなら、工事による不便さやある程度のコストがかかっても、早めに防音壁を設置した方が良いでしょう。
騒音問題は、外からの生活音や子どもなどの騒ぎ声を防ぐだけでなく、自分が出す音にも気をつけることが大切です。
しかし、いくら自分が気をつけても、周りがそれに合わせてくれるとは限らないため、防音対策をする必要性もあります。
DIYで窓のサッシの隙間を防ぐなどの方法もありますが、壁が防音仕様になっていなければ防音効果は半減してしまいます。
防音壁など遮音性の高い防音対策を検討されているようであれば、ぜひ弊社にご相談ください。