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賃貸物件の原状回復義務とは?原状回復の定義や費用負担、特約などについてわかりやすく解説!

23.12.16

国民生活センターに寄せられるトラブルの中でも、上位にランキングしているのが賃貸住宅の退去に関するトラブルです。 ハウスクリーニング代やクロス張替えの費用として使用するため、敷金が返ってこなかったり、敷金以上のお金を請求されたとして相談するケースが年間約13,000件ほど寄せられています。 今回はトラブルが多い原状回復義務や退去時の借主・貸主の費用負担、特約の内容などについてわかりやすく解説します。

 

原状回復義務とは何か

国土交通省の「ガイドライン」で、原状回復について定められています。 それによれば、原状回復は借主の故意・過失や善管注意義務違反で発生した損失を復旧させることと定められています。 しかし、この定義だけでは少しわかりにくいかもしれません。 もう少しわかりやすくするため、内容を掘り下げてみましょう。

借りた当時の状態に戻すものではない

1つ目のポイントは、原状回復とは借りた当時の状態に復元するわけではないということです。 入居者が建物を使用していると、年数に応じて建物の価値は減少していきます。 自然に損耗する部分(経年劣化)については、回復の対象と定められているわけではありません。 国土交通省のサイトにも「借りた当時の状態」するわけではないと書かれています。

故意・過失による損耗でも残存価格で負担すればよい

借主のわざと付けた傷であったり、不注意による傷を建物につけた場合、借主には原状を回復する義務が生じます。 しかし、借主が負担するのは残存価値分のみです。 たとえば、クロスであれば法定耐用年数が6年とされていますので、6年経過した後のクロスの価値は1円と計算されます。 ただし、残存価格だけ負担すればよいから、クロスはいくら傷つけても1円の負担でよいとするのは早計です。 クロスの価値は1円でも、修理の工賃などの費用負担をしなければならないケースがあるからです。

負担するのは壊れた箇所を修繕する費用のみでよい

借主が負担するのは、壊した部分だけで良いことにも注意が必要です。 先ほどのクロスの例でいえば、クロスの一部に落書きをした場合、クロス全てを借主負担で交換させるのはやりすぎだということになります。 あくまで、借主が負担するのは破損した部分の修繕費用に限られます。

賃貸物件の「損耗」は誰が負担するのか

ここからは、物件の「損耗」にスポットを当てて解説します。

経年劣化は貸主の負担

経年劣化とは、年数の経過によって品質や性能が劣化することです。 新品であれば、100%機能を発揮できるものであっても、年月を経ることによって機能が損なわれるのが一般的です。 太陽光による変色や畳の色あせなどは経年劣化と考えられます。

通常損耗は貸主の負担

通常損耗とは、生活するうえでついてしまう小さな傷や汚れなどのことです。 具体的には、カレンダーやポスターの穴、冷蔵庫やテレビの裏などに発生する電気ヤケ、エアコンの寿命などは通常損耗に含まれます。 また、家具を置いていたことによる床のへこみなども含みます。

経年劣化や通常損耗以外の特別損耗は借主負担

特別損耗は借主が負担しなければなりません。 タバコによる汚れや台所の油汚れ、水まわりのカビ汚れや水あかなどは借主の負担です。 ペットが付けてしまった傷や子どもの落書きなども特別損耗に含まれます。

原状回復特約がある場合、経年劣化や通常損耗も借主負担

通常、経年劣化や通常損耗については物件所有者(貸主)の負担となります。 しかし、特約を結んでいる場合は経年劣化や通常損耗であっても借主の負担となります。 原状回復特約とは、賃貸契約に経年劣化や通常損耗も負担することを明記した特約のことです。 ただし、負担範囲が不明確であったり、負担割合があまりに借主に不利であった場合は特約が無効とされることもあります。

善管注意義務について知っておこう

善管注意義務とは、民法第400条に規定されている「善良なる管理者の注意義務」のことです。 賃貸において適用する場合は、部屋や備え付けの設備は貸主に返還することを前提としているため、大切に使用する義務があるという内容の規定です。 たとえば、床にこぼした飲み物を放置した結果、フローリングにカビが生えてしまったような場合や風呂場や台所の清掃を怠ったせいでカビが発生したような場合は、注意義務違反に該当してしまいます。

まとめ

今回は賃貸トラブルの上位に位置する原状回復義務について解説しました。 多くのトラブルが発生しているということは、それだけ、借主と貸主の認識が一致していない分野であることを意味します。 原状回復に関するトラブルを回避するには、部屋の写真をとって置くことや、契約書の内容を隅々まで確認することなど、契約前の確認が非常に重要です。