25.08.25
「原状回復」という言葉、なんとなく知っているけど中身は曖昧…という方も多いのでは？
特にフローリングのキズや色あせは、補修なのか張り替えなのか、その判断が難しい部分です。
本記事では、トラブルを未然に防ぐために必要な知識として、フローリング張り替えと原状回復の正しい関係性をケース別に解説します。
賃貸物件においてフローリングの張り替えが必要となる場面は、経年劣化や深刻な損傷、カビや腐食が進行した場合など、多岐にわたります。
また、原状回復の際にもフローリングの修繕の要否が問われることがあり、その判断には入居者とオーナー双方の合意や契約内容が重要です。
具体的なケースや責任範囲について正しく理解し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
フローリングの傷や劣化には、日常生活で避けられない通常損耗と、過失や故意による損傷があります。
一般的に通常損耗は貸主の負担、明らかな過失や不注意による傷は借主の負担となります。
たとえば家具による細かな擦り傷や日焼けは貸主負担となる場合が多いですが、物を落としてできた大きな凹みや水漏れによる腐食などは借主の責任となるケースが一般的です。
契約時によく内容を確認し、どのような場合に費用が発生するか把握しておきましょう。
原状回復工事では、フローリングの損耗や損傷がどのラインを超えると修繕が必要か、その基準が定められています。
国土交通省のガイドラインでも「通常の使用による傷や色あせは原則として貸主負担」とされますが、明らかな破損や通常使用を超える損耗については借主負担です。
現場ごとに判断されるため、入退去時の現状確認が重要です。
また、貸主と借主の認識のずれを防ぐためにも、写真による記録や立会い確認が推奨されます。
入居時と退去時には、フローリングの状態をしっかり確認することが重要です。
特に色あせ、ひび割れ、傷やシミ、床の浮きやたわみなどの有無は念入りにチェックしましょう。
可能であれば写真で記録し、管理会社や貸主と情報を共有することで、退去時のトラブル防止につながります。
また、入居直後に気づいた不具合は速やかに報告することが大切です。
日頃から清掃や簡単なメンテナンスを行うことで、退去時の負担を減らすことも可能です。
フローリングの張り替えは、まず現状確認と必要な範囲の把握から始まります。
養生作業の後、古いフローリング材をはがし、下地の補修を行います。
その後、新しい床材の敷設、固定、仕上げ作業という工程です。
工期は部屋の広さや傷み具合にもよりますが、一般的な6畳程度の部屋なら2〜3日程度が目安です。
工事中は一定期間立ち入りが制限されることもあるため、スケジュール調整が必要となります。
賃貸物件のフローリング張り替え費用は、使用する素材や面積によって異なります。
一般的な合板フローリングの場合、1平米あたり5,000〜12,000円が相場です。
6畳の場合は総額でおおよそ50,000〜100,000円程度となります。
高級素材や防音・防水機能つきの場合はさらに高額になることもあります。
見積もり時には、材料費と工事費の内訳をしっかり確認し、不明点は事前に工事業者へ問い合わせておきましょう。
借主がフローリングの張り替え費用を負担するケースでは、損傷の原因や範囲によって金額が異なります。
全体ではなく一部のみが損傷している場合、必要最低限の部分のみ修繕されることもあります。
そのため、費用も実際の修繕範囲に応じて按分されます。
過失による場合も経過年数や減価償却を考慮して請求されることが多いです。
事前に貸主や管理会社と協議し、納得の上で負担内容を確認しておきましょう。
原状回復工事を巡るトラブルを防ぐには、入居時の状態確認と記録、契約内容の理解が不可欠です。
入居後すぐにフローリングの傷や異常があれば、写真を撮影し管理会社へ連絡しましょう。
また、退去時にも貸主や管理会社と一緒に点検を行い、損傷範囲や責任区分を明確にすることが大切です。
万が一、トラブルになった場合は、消費生活センターなど第三者機関に相談する方法もあります。
日頃から丁寧に使用することもトラブル防止につながります。
フローリングの補修は、部分的な傷やへこみ、色あせなど限定的な損傷を元通りに近づける作業です。
パテ埋めやリペア材、部分張り替えなど手軽な修繕方法が選ばれます。
一方、張り替えは下地ごと新しい材料に交換するため、広範囲の損傷やカビ、腐食が進行している場合に行います。
補修に比べて工期や費用はかかりますが、仕上がりや耐久性が高まります。
状況に応じて適切な方法を選べるように違いを理解しておきましょう。
フローリングを長く美しい状態に保つには、日常のお手入れが重要です。
重い家具の下に傷防止マットを敷いたり、こまめに掃除機や乾いた雑巾拭きを行うと良いでしょう。
水拭きは必要以上に行わず、水分をこぼした場合は早めに拭き取りカビ防止に努めます。
また、直射日光を避けるためにカーテンを使うなど、変色防止の工夫も効果的です。
日頃から意識してケアすることで、退去時のトラブル予防にも役立ちます。
賃貸物件のフローリングに関する原状回復や張り替えについて正しい知識を持つことは、トラブル防止や長期的な快適な住環境の維持に大きく役立ちます。
傷や劣化の責任範囲、工事や費用の相場、日常のケアなど、それぞれのポイントを理解し、貸主・借主ともに納得のいく対応ができるように心掛けましょう。
今後の賃貸生活をより安心して過ごすため、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
